Parce que c'est comme ça

欧州大学院生。最終目標はバカンスのある人生。パスクセコムサ。

シン・ゴジラという虚構

ひさしぶりにシン・ゴジラを観ました。公開当時は映画館で観た。それも2回。人生で初めて映画館で2回観た映画です。数年ぶりに見返して、なんだかいろいろしんどくなってしまった。当時のキャッチコピーは現実(ニッポン)対虚構(シン・ゴジラ)たっだけど、いやいや虚構対虚構じゃねえか。やなことたくさん思い出しちゃった。

 

ゆ、ゆうのう~~~!国民の命とか気にしてる~!

作中では首相がわりと事なかれ主義とか決断力不足の”典型的日本人”として描かれますが、なんかこれ、私たちが典型的と信じていただけの虚構でしたね。現実には人の命なんか、コロナでどんだけ人が死のうと気にしないんだから。感染者数が跳ねあがっても「想定内」、もう交通事故に遭っても脳卒中で倒れても救急車もすぐに来れないかもしれないけど、断固としてオリンピックはやりますだもんね。2人の老人がよろよろ歩いてるくらいで攻撃を中止なんかしないでしょうよこの政府なら。あと当時ですらフィクションだと思ったけど、上に異議を唱えられる矢口も尾頭も存在しません。はいはい。

 

「危機は日本すら成長させる」

しません。コロナが始まって1年半、PCR検査を受ける体制の整備は進まないし、ワクチンはなかなか接種できないし、政策は朝令暮改、政治家はわけの分からない文字の羅列を垂れ流すだけ。ただただその能力のなさを垂れ流すだけ。「上陸の可能性はありません」って結果的に間違ってた情報を流すとかじゃないのよ。緊急事態宣言っていったいなに、なにがどうなったら発令されて、休業してほしいんなら補償はいくらで、なんで最初から終わりの日が決めてあるのか。結局延長するんなら延長の基準はなんなのか。最初から感染者数が〇人を下回ったらと言えばいいんではないのか。できない理由って、いったいなに?

 

カヨコ・パタースンはいない

当時もしゃべりかたが嘘っぽいとか話題になりましたが、そういうことではなく。残念ながらかの国も実力さえあれば登用されるなんて社会じゃない。代々政治家の名門家庭に恐らくアジア系の血は入らないし、ほとんどが白人男性だけの大統領職、やっとアジアンアメリカンのハリスが今年のはじめに女性として初の副大統領になったばかり。

まあでもこれに関してはだからダメだと言いたいわけではありません。実際ハリスはギリ40代で副大統領まで辿りついた(カヨコは40代での就任を目指していた)し、世の中の変化はアメリカでは早くやってくるかもしれないし、そこまで現実に忠実でなくていい。そうだ女でもなれるはずと希望を見せてくれるほうが、私は好き。

 

「政治家の責任の取り方は自らの進退だ」

どこ~~~~そんな立派な政治家、どこ~~~~~。ナチを賛美しても性暴力の被害者に二次加害を浴びせても感染爆発&医療崩壊させても人の金メダル噛んでも、だーーーーーれも辞めない。

 

っていうかそもそも、閣僚会議とかで、そんな意味のある日本語が交わされてなさそう。みんな必死に行すらまともに発されてないのに行間読んで、そんで読み違えてたらまたよく分からんご機嫌とかでお叱りを受けて、よく分かんない文字の羅列ができあがるんだよ。そして首相はただ原稿を読み上げるだけのことすらできてなくて、のりがくっついて剥がれなかったから事務方のせいとか言われるんだよ。じ、地獄~~~~~これを地獄と言わずしてなんと?

 

人類はもはやゴジラと共存していくしかない、少なくともまだ数か月か数年は根絶なんか無理ゲーでしょう。日本政府と心中、したくねえな。

スクラップ&ビルドでこの国はのしあがってきた、今度も立ち直れると、赤坂さんは言いますけどね。2011年を経験し、2020年を経験していなかった当時の私には響いたけれど。今思えばそもそも、2011年に被災した人にとっては果たして絵空事に映らなかっただろうか。今の体たらくを見ていては、とても立ち直れると信じることができない。とりあえずまとめて立川へ避難するヘリに乗せるしかないのでは…と過激なことを考えてしまうけれど、わりと真剣にそれ以外の有効な解決策も思いつかない。困ったもんだ。