Parce que c'est comme ça

欧州大学院生。最終目標はバカンスのある人生。パスクセコムサ。

日本人の鈍感さとLanguage exchangeでの無難な話題について

英会話力向上のためせっせとmeetupを利用してConversationやLanguage exchangeに出かけているのですが、人のルーツやアイデンティティといったとても個人的な問題に、日本人は安易に踏み込んでしまいがちではないだろうかと思いました。まあ少なくとも日本で生まれ育った私は。

 

最近はそんなこともなくなってきましたが、それでもやはり他と比べれば日本は自分のアイデンティティについて深く悩んだことがないような人のほうが多いのではないでしょうか。他人のルーツを自分の経験からある程度想像できると思ってもいると思います。私自身が親しく付き合っている人についても、少数の在日韓国人の友人を除けば、日本人の両親のもと似たような環境で育ってきた人ばかりです。

 

私は、自分では、人権やプライバシーについて敏感なほうだと思ってきました。職場のおじさんに「好みのタイプは?」と聞かれて(もちろん飲み会の席ではありますよ、業務時間中だったら迷わずセクハラ案件)気持ち悪くて答えられなかったし、両親揃っている前提で放たれる質問には居心地の悪い思いをさせられたから、人にはなるべくそういうことを聞かないようにしてきました。片親であることを恥じたり、不利だと思ったりしたことはないけれど、そんなプライベートなこと、「へえ~」で終わる場で消費されたくないじゃないですか。

 

けれども、Language exchangeで何気なく聞いたけど答えたくなさそうな顔をさせてしまったり、下のような体験談を読んだりしたことから、気を付けていたつもりでも想像力の及ばなかったことがたくさんあったのだと知りました。

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日本人にとって、人のルーツは1つではないという概念や、そこから生まれる葛藤を想像することは特に難しいのではないかと思います。少なくとも私には難しいです。自分が日本育ちの日本人だということを(喜ばないにしても)疑ったことはありません。ただ、想像はできないとしても、それにまつわることは非常にプライベートなことで、話す言語や身体的特徴、家族のことは、特別親しくもない他人が気軽に話題にしていいものではないということを肝に銘じることは、できるはずです。

 

インターネットのよい点のひとつは、上に紹介したみちるさんのように、自分の体験を発信してくれる人がいて、それを読むことができるということです。もちろん理想はそもそもみちるさんが苦しい思いをしないことなのですが、残念ながらそうはなっていません。でも、私たちはみちるさんの投稿を読むことで、彼女を傷つけることなしに学ぶことができます。少なくとも、第2、第3の加害者にはならなくて済む。

 

先に私が片親家庭に育ったことを述べましたが、両親がそろっている人にとってはそれが当たり前で、当たり前を疑うことは難しいだろうというのは分かります。「ご両親は何歳?」などと聞かれても、悪気がないことは分かるのです。まあ、悪気がないからより面倒という側面は否定できませんが…。一度「いや、親はいないんです」と言われれば、そのあと気を付けることができると思います。ただ、失敗しながら学ぶというのは一つの本質ではありますが、それが他人を傷つけうる以上、前もって「両親がいない家庭もある」ということをインプットできるのであればそれに越したことはないでしょう。「コミュニケーションは人と直接関わってなんぼ」というような標語のもと、そのような努力を怠ることはしたくないと思います。

 

とはいえ、事前予測には限界があります。知り合い程度の相手と円滑にコミュニケーションをするには、やはり基本的には「個人的なことは話さない」ことが肝要ではないでしょうか。同僚とは仕事の話をすればいいし、クラスメイトとは授業の話をすればいい。私はあと政治の話も比較的誰とでもできる(「すべき」に近いかもしれない)と思っているのですが、長くなるのでここではあまり触れないことにします。

 

ただ、ここでやっとタイトルに回帰するのですが、Language exchangeの話題選びって実はとても難しいんじゃないかと思うんです。特に初~中級者の場合。

Language exchangeやEnglish (or any other language) conservationにもいろいろな形があるでしょうが、私が経験してきたのは、住んでいる(滞在している)地域以外に特段共通点もない様々な出自の人たちが、数時間慣れない言語を使って会話を試みるというものです。そう、慣れない言語というところがポイント。やっぱり、自分のことを言うのは比較的簡単で、個人的経験から離れたジェネラルなことは、より難しいと思います。日本の教育制度について説明するより、出身地とか年齢とか言うほうがよっぽど簡単じゃないですか。聞きやすいから聞いちゃうんですよ。Where are you from?とかね。でもそこで答えが「Syria」だったとき、ああこれ聞いちゃいけなかったなって思いません?私は2回もそうだったのに、まだWhere are you from?って言っちゃってました。次から聞かないようにしよう。

 

だけど、Language exchangeやConservation自体が言語学習に有効な手段であることに間違いはないし、やっぱり外国の人と話すのは楽しいんです。だから、予めよさそうな話題を考えておく必要があると思いました。考えてないとその場しのぎでまた迂闊なこと言っちゃうし。というわけで以下は私のメモです。

 

・天気について(でもこれは割と一瞬で終わる)

・Places to visit/places where you want to go in the world

・Your major in university(でも大学行ってない人もいるよなあ)

・Your hobby

・The most effecive way to learn foreign languages

・Your favorite points of this city

・Your favorite kind of music

・Problems in your society

・Your dream

・Your favorite movies

・Your job(様子見つつ)

適宜追加。

 

日本のコミュニケーションについてはもう少し思うところがあるので、また後日投稿するつもりです。では尻切れトンボですがこれにて。