Encore
特に大したきっかけもなく読み返してみたこのブログ。
嫌なことがたくさんあった仕事を辞めて、TOEFLに苦しみ、消えてなくなりたくなりながら留学生活をなんとかこなし、という日々を、懐かしく思い出しました。言うても7年前とか?懐かしむというにはまだすこし最近かもしれないけれど。
もっと勉強して、いろんな経験をして、今より強靭になりたくさんの戦い方を覚えたあとなら、もう一度向かい合えるかもしれません。その日のために、私はいったん今の環境から離れます。
そうか、そんなことを思っていたのだっけ。
そして私は確かにあのときよりはたくさん勉強して、いろんな経験をしてきました。強靭になったかは自信がないし、うまいやり方だったかは分からないけど、戦ってはきたとも思う。
私は今英語とフランス語を話せるようになりたくて、もう少しいろんなことを勉強したくて、あと100万円の貯金が欲しいです。それが全部達成できたとして、そのあとはどうするんだろう。やっぱりなにか定職に就かないとしんどいんだろうか、なんか適当に生きていけないんだろうか。できる限り楽に、力を抜いて人生を渡っていきたい。一方で、頭をフル回転させるようなことに興味がないわけでもない。きっかり9時から17時まで全力で働けて、お給料もちゃんともらえるような仕事、どっかに転がってないかなあ。と、適当に考えています。
私、若くてかわいい。笑 真面目で一生懸命だ。
英語もフランス語も、流暢とはいえないけれど、少なくともマシにはなったよ。貯金も少しはある。定職にも就いているけれど、勤め人はあんまり向いていないという真理にようやく気付きつつある。9時から17時まで全力でなんて働いてられません😂
結局社会を変えられるのってその社会の成員でしかなく、たまたま生まれ落ちただけとはいえ何かしらの責任は負うべきなんだろうなあというのは薄々思っています
これ、留学で学んだ一番の真理だと思ってたのだけど、まさかの留学行く前にもう書いてた😂優秀😂
いずれにしてもたくさんの人が私の今後を気にかけてくれていました。それに恥じない自分でありたいと思います。
そうだねえ。
最近またそういう思いが強くなってきた気がするよ。あれから大好きな人がたくさん増えて、助けてもらった体験もあって、そういう人たちに値する自分でありたいと思う。
最初は自分の身を多少削ってでもこの社会をよくしたいと思っていたけれども、なんだか酷いことがたくさんありすぎて、まずは私の幸せを追求したい、そう思いました。社会とか世界とか、そういうものに立ち向かうのはもう少しあとでもいいだろうと。
今とても楽しく、好きなように生きているという実感がある。立ち向かう力が溜まってきて、自分に向いている、戦うための道具と場所も見えてきていると思う。そういう意味では、確かに強靭になったのかもしれない。
記憶が美化されていたけれど、当時のブログを読むと、先が見えない不安、非力な自分に絶望して消えたかった気持ちを思い出したし、ちゃんと生き抜いて偉かったなって思う。あのときよりできることは増えた、今ならもっと挑戦できるはず。
ありがとう過去の自分、マッチポンプでなんだかすごく嬉しくなりました。本当に偉かった。未来の自分、ほどほどにがんばれ。
キャリアってそんなにえらいのだろうか
あいもかわらず職と人生について考えている。幸か不幸か時間は腐るほどあるので。
キャリアを考えろとよく言われる。別に異論はない、正しいと思う。奨学金や院の応募に将来のキャリアプランを書けと言われたりもする。できる人はやればいいと思う。
だけど、人生何十年、そんなに緻密に計画を立てないといけないんだろうか。1か月先、1年先にやりたいことなら答えられる。だけど、5年先に自分がどんな人間になっているか、なにをしたいと思っているかなんて、分からない。分かるふりをして何十年を描いてみせるのって、作り話がうまいかどうかなんじゃないの。いやもちろん子どもの頃からたとえば医者になりたいと思い続けて念願叶って、みたいな人もいるのだろうと思う。すごいと思う。だけどそれを当たり前、スタンダードに設定されるのって辛くない?
私がもっと嫌なのは、それで優劣をつけられているような気がすること。給与や待遇が違いすぎること。
経験を積まなければできない仕事はあると思う。個々の能力の違いもある。だけど、キャリアを積むってたいへんなことだ。いろんな事情があって仕事に100%力を注げないことなんて誰にでも起こりうる。たまたまラッキーで働き続けてこれた人は、そうでない人より偉いのか?高い給料を得られて当たり前なのか?
誰にでもできる仕事だって、誰かがやってくれなければ社会は成り立たない。どれだけ社長が天才で革新的なアイデアを生み出せたとしたって、それだけでお金は回らない。スティーブジョブスだって、iPhoneを製造してくれる工場の人、お店で販売してくれる人がいなければなにもできない。
もっといえば、社会を成り立たせているかどうかで人を測るのも危険だ。
そうはいっても私だってお金が欲しいので、持てるものは利用して今の構造に乗っかって好待遇の職を目指す。清貧に身を置いたりはしない。だけど、そこに安住して他人のことなんて知りませんとはなりたくないと思う。
サンダカン八番娼館 望郷
すごい映画をみてしまった。今まで邦画で一番好きなのは、と聞かれたら「勝手に震えてろ」と答えていたけれど、塗り替えたかもしれない。これ1974年ってほんと?すごすぎる。ベクデルテスト*1クリアどころの話じゃない。
主演格三人の女優の演技が素晴らしすぎる。朴訥で健気な少女が娼館で騙されたことを詰る怒り、暴力に打ちひしがれて自棄になり、そのために身を売った家族にまで虐げられた絶望まですべて胸をうつ高橋洋子。という壮絶な過去を滲ませつつもあばら家で昼寝をしてくれた見知らぬ女性に素直に好意を示すチャーミングさで惹きつける田中絹代。田舎でひとり東京の輝きを放ちながら、良心と研究者としての欲の間の揺らぎを微妙な目線で表現する栗原小巻。おキク、女将、兄の妻、おさきさんのまわりの村人まで女性がみな素晴らしい。
1974年といえば男女雇用機会均等法が制定される12年も前(原作は1972年)。そこに大学に職を得ている女性を主人公として設定しているのがまずすごい。その研究テーマも貧しく苦しんできた女性の生活史とは。女性の苦しみを女性が語り、助け合う女性たちがいて、女性たちが救い合う。徹頭徹尾女性の物語で、その主体性を一度も手放すことがない。かといって迫害する側の男性や帝国主義的構造が透明化されているわけではなく、その害悪もはっきり描かれている。
かつてこんな映画が作れた時代が日本にあったらしい。
日本に背を向けて眠るおキクさんは、日本という国が女性にとってどういうものかを知っている。それは今もなお、変わらない。
*1:最低でも2人の女性が登場するか、女性同士の会話はあるか、その会話の中で男性に関する話題以外が出てくるか+2人の女性に名前がついているか
そういえばDELF B2(結果編)
というわけで結果がきました。はやい。
受けたあとの感想などはこちら↓
点数はこちら。()内は上の記事での見込み点。
聴解 11,5点 (15)
読解 22,5点 (20)
口頭表現 22点 (15)
文書作成 16,5点 (15)
合計 72,5点
というわけで、合格しましたー!わあい!
聴解が思ったよりぜーんぜんできてなかった悲しみ&口頭表現が謎にめちゃめちゃいい喜びが同時にやってきて笑いました。読解&文書作成はまあそんなもんでしょうねという感じです。
察するに、文書作成はやっぱりいっぱい書けばいいというもんじゃなく、論理構成がしっかりしていることが結構求められそうです。逆に口頭表現は論理はあんまり重視されていなくて、とにかく会話が流れていくことが重要っぽい(論理重視なら絶対20点もない)。
聴解はなあ…記述のところの文法をもしかしたら手を抜きすぎたかもしれませんが、まあ単純に聞き取れてなかったということなんだと思います。悲しい。
前回の記事にどうやって勉強したか書いていなかったので、少しだけ。といっても、書くほどのこともないのですが。基本的には学校のB2クラスの授業(週1・2時間)を3か月受けていただけです。毎日ラジオとかも聴いてない(ゆえの聴解の悲惨さ…)。
特にDELF対策としては、授業で聴解と読解については模試を解いたのと、前日の夜と当日の朝に口頭表現と文書作成のテンプレートを丸暗記しました。文字通りの一夜漬け。
以前仏検とDELFを比べた記事でも書いたような気がしますが、フランス語環境にいられればDELFは取り組みやすいのだと思います。けどそこにいくまでが大変だから、日本に住んでいる頃はすごく高い壁に見えていたような。
かつて思い描いていた「B2の人」には全然届いていませんが(公式の基準によるとわりと問題なく話せる人ってことになっているらしいが、残念ながら未だ問題しかない)、それでもB2に受かったというのは嬉しいものです。B1までは趣味って感じだけど、B2だと履歴書でそれなりに存在感を放つのではなかろうか。挫折また挫折の2年間の果てに、こうしてささやかでも達成できたことがあるというのは、思いのほか心を温めてくれました。
それではまた!
そうえいばDELF B2
B1を受けてからちょうど3年、パリの某会場にてB2を受けて参りました。パリは試験官が冷たいから避けるみたいな人が結構多いらしいですが、私の場合はすごい親切な人でした。パリの中でも会場によるのか単にラッキーだったのか分からないけど。あと、そんなことある??ってびびったけど、パリは会場によって受験費が全然違う(100€くらい差がある)ので会場選びは慎重に。。
3年前にB1を受けたときは、まさかその当時の職を辞めるとも、ましてやフランスに留学するとも思ってなかったです。単に趣味の延長線上でしかなかったのですが、結果案外役に立ったと思います。院を受けるのにも、こちらで仕事を探すのにも。取れるもんは取っといたほうがいいということですね。
さて、結果はまだなので、それぞれの科目で感想をば。
Production orale
初っ端、朝っぱらから口頭表現。15分くらい早めに着いたら、受付の人がそのまま通してくれた。まじ?笑 そのあとの準備時間でも私がメモをがりがり書いてたら興味津々で覗きに来たりして、愉快&親切なマダムでした。
お題はフランスの教育制度に関することで、まー結構酷い出来でしたね。わはは。試験官が何言ってんだコイツって顔してたことも結構あったし、突っ込まれたことにはろくに反論できない(ただただVous avez raisonって言うてた)し、論理は破綻してたし。うーむ、ジーザス。ただ一応質問は聞き返すことなく理解できたし、聞かれたことには答えられたと思うのです。15点くらい、くれないかな…。J'espère.
Comprehension orale
長めのお昼休憩を挟んで聴解。一人遅れてきたおじさんがいたのですが、試験官のマダムが「彼は午前中の口頭試験を受けてたから会場にはいるはずだから、待ちますよ」って言って実際待ってたのですよね。どうやらおじさん会場で迷ってたらしく、何回も電話かけて最後は迎えに行ってあげてました。結局5分押しくらいで始まったかしら?こういうのほんと試験官によるとは思いますが、下手したら日本よりも親切かもしれない。
さて本番。音声は2種類、4分半~5分の2回読まれるやつと、2分弱ほどの1回しか読まれないやつ。音声が流れる前に設問読んどくってのは鉄板と思いますが、1回目が流れる前に最後まで読み切ることはできず。3~4問残してしまったかしら。1回目を聞き終わった時点では自信を持って答えられる設問はほぼなくてひじょうに不安になりましたが、2回目が流れるまでの間は答えを考えるよりも設問を読み切ることを優先し、これがいい判断だったと思います。2回目は結構落ち着いて聞けて、ほとんどこれだ!と自信を持ちながら回答していくことができました(正解できているかは分からない)。ただね~いっこだけ、一番配点高い設問で、今から、ここから答えを言うぞ!ってとこまでは聞き取れてたのにそっからなぜか集中力が死んでしまって聞き流すという大失態を犯しました。なんでやねん。結局そこだけ全然聞き取れなかったので適当に書いたよね。ばーか。
短いほうの音声はそんなに難しくなかった…ような気がします。すでにあんまし覚えてない。
学校で過去問?模試?をやったときに、聴解と読解に関してはスペルミスや文法ミスはあまり気にしないでいいと言われたのでそれを信じて書きなぐりましたが、そこでも減点されてたらちょっとまずいかもしれない。これも15点くらいはくれないかなあ。
Comprehension écrite
そしてお次は読解。わたくし昔から読解(だけ)は得意なので、そんなに問題なく解けたような気がします。学校でやったのも満点だった。一番迷ったのは、en avantがen partieとイコールなのか逆の意味なのか。なんとなく逆な気がしてその勘をもとに選択肢を選びましたが…はて。Comprehension écriteとProduction écriteは、2時間を自分で自由に時間配分ができるので、はやめにCEを終わらせてPEに取り掛かるのがよいと思います。20点くらいあるといいなあという予想。
Production écrite
そして最後に文章表現。やらかした。ええ、とても。いや~読解が結構早めに終わったもので、余裕ぶっこいて適当に書いてたのですよ。書き始める前に構成考えろってたぶん100万回言われてると思うんですけど、まあいけるっしょってなめくさってまして。そしたら案の定最後のほうで時間足りなくなって、論理はめちゃくちゃになってしまいました。あ、たぶん文法もめちゃくちゃだと思う。で、250語でいいのに360語も書いてしまった。まったく同じ失敗をB1のときにしている私、学習しないね。もしC1があればそのときこそちゃんとやります。
あともいっこ懸念があって、主題がCEとかなり被ってて、そのまま引用できる感じだったのですよ。そんで、一文か二文、そのままCEの文章から持ってきちゃった。これ、カンニングとかになるのかしら…100語余ってんだからそんなことしなくてもよかったのだけどなんとなく誘惑に抗いきれず、やってしまいました。これでカンニング扱いで0点だったら悲しい。落ちるとしたらそれが原因だと思う。大丈夫なら15点くらいはもらえないかなという感じです。
というわけで合計で65点くらいはないかしら、という希望的観測です。結果は数週間後!
ぐるぐると職探しのこと
気付けば2月、12月も1月もさぼってしまったこのブログ。いつの間にかマスターも終わりが近付いてきて、次のことを考えなければいけない季節。
やりたいこと、少しは見えてきた気がする。だけどそれには、日本に帰らないといけない。それから、私が元いたところも、やりたかったことに間違いはなかった。だけどあまりに組織の中に正義がなさすぎて、いられなかった。今もあんまり変わっていないはずだから(たったの数年で変わるなら世話はない)、元には戻れない。
ずっと同じところを回り続けている。やりたいことはある。だけど、たった数年だけど働いていた頃の悲しみとか失望がいつでも新鮮に蘇ってきて、またあそこに、日本という国に戻るの?という声がする。嫌だ、とはっきり思う。だけどやりたいことはそこにあるから、他の場所でできることを考えようといっても気乗りしない。そしてそんな甘い態度でできるほど、海外就職は易しくない。
まだ出口は見えず、のろのろと間に合わない予習をしながら、自分の集中力のなさにがっかりし続ける日々。暗いなあ。
ジーンブライドを読んだ。
Twitterでどこからかどんぶらこと流れてきた作者さんのツイートで2話を読み、その絵柄の美しさと話のクリティカルヒット具合に射貫かれて1巻を、そのまま続きを待ちきれずに掲載誌の最新号まで購入してしまいました。ありがとう現代技術。大好きkindle。
それまでは気付かないけれど働き出すと分かる、女であるだけで舐められ不当に評価され性被害に遭うという現実。大学までは試験の成績だけで(AOとかだとまた別なんだろうけど)評価してくれるからいいよね、と思いきや女であるだけで何十点も引かれていたという別の絶望も私たちは近年味わったばかりだけれど。
最後の1ページでSFが一気に立ち上がるのもとてもいい。死ぬほど好み。この1ページのせいで掲載誌まで買わされてしまった。
どっかのくだらねー政治家が最近、ジェンダー問題は余裕のある奴の手遊びみたいなこと言ったとか言わないとか聞きましたけれどもね。女と見ると舐めてかかるやつ、いきなりタメ口をきいてくるやつ、クレームという名の鬱憤を晴らしたいだけのやつ、そういうやつらのせいで私たちは毎日消耗させられて絶望させられて、本当ならやりたい仕事は日本にあるのに、そういうやつらとそれを手遊びと軽んじるやつらのせいで、傷つけられずに働ける場を奪われてしまっている。私は今の自分が頑張ってること嫌いじゃないけど、男ならこんなに頑張らなくてもそこそこ満足できる生活がおくれていたと思うと本当に悔しい。泣きながら、分からない自分に心底がっかりしながら英語やフランス語と格闘しなくて済んだのに。自分はそこそこやれると無邪気に信じたままそこそこの地位を得てそこそこ豊かに暮らす、そういうことに対するハードルが男と女で違いすぎる。
あー働きたくないなあ
今が永遠にループしてればいいのに。