Parce que c'est comme ça

欧州大学院生。最終目標はバカンスのある人生。パスクセコムサ。

日本は加害者であることを理解してください

私テレビを一切観ないので詳しくは知らないんですが、Twitterやネットニュースで観ているだけでも最近かなり韓国を侮蔑するような感情が高まっているようですね。戦前の主戦論(これは日露戦争の話やけど)とかこんな感じだったのかなあと…こんなこと、体験したくはなかったよ。大正デモクラシーから戦争まで早すぎじゃない?何があった??と常々不思議でしたが、ああ、こういうことですねと腑に落ちる感じ。今関東大震災が起きたら朝鮮人*1虐殺の悲劇再来するかもしれないな、しても驚かないなと思いますね。いや他人事ではもちろんいけないと思うからこそこの記事を書いているわけですが。

 

よく見るのが「韓国の批判するのがヘイトなら日本の悪口言うのもヘイトじゃないんですか?」というやつ。違います。百歩譲って「日本人はクズ」みたいな言説をヘイトに含めるとしても、日本において「韓国人はクズ」と「日本人はクズ」の与える影響は決して同じではありません。どうかここの勘違いを改めてください。

 

単に嫌われることを指して「ヘイトためる」みたいな言い方も蔓延してるのでややこしくなるのはしょうがないかもしれませんが、ヘイトスピーチの短縮形の「ヘイト」であるかどうかの判断に際しては、どの社会において誰が誰に向かって言うか決定的に重要だと私は思います。ヘイトスピーチの何がいけないかって、それ自体が差別であることのみならず、それによって差別が扇動されて、誰かの安全な生を脅かすことです。日本に住んでいてマジョリティの日本人であれば、国内で日本批判があったって、それで殺される心配をしますか?「日本人はクズだから殺せ」って日本人が言ってたら、いやあなた殺されたいの?ってなるだけですよね。 まあ見たことないけどそんな場面。外国人が言ったとしたら、まわりの圧倒的多数派日本人に潰されて終わりじゃないですかね。職を失うかもしれないし、職を失ったら住んでいられないでしょう。

 

だけど。日本に住んでいる外国籍の人、外国にルーツがある人にとってはどうでしょうか。実際に韓国・朝鮮の人を差別し搾取してきた実績のあるこの国で、現在に至っても差別体験を受けた人が多くいる中で、安心して暮らすことなどできるでしょうか。差別されていい人なんていません。

 

よく「日本はいつまで謝らないといけないのか」みたいなことを言う人がいますが。そんなことを言う人がいる限りいつまででもだと私は思います。あなたが被害者だとして、いじめの加害者に「ごめんね」「謝ったからもういいでしょ」って言われて許せますか?私は許せません。問題はいじめよりもさらにひどい、家族を殺されたり、意図せずsex slaveにされたり、そんなことですよ。ねえ、ドイツがユダヤ人に「もういいでしょ」って言ったことありますか。ネオナチは言ってるかもしれませんけどね、政府の態度ではないでしょう。真に被害者に寄り添った対応をしなければいけないんじゃないですか。償えるのは(もうたくさん亡くなってしまったけど)直接の被害者が生きている今のうちだけなのに。

 

いろいろと穴があるのは書いていて分かります。でも、穴埋めと推敲に時間をかけまくって遅くなってしまうよりは、まずはもうやめてっていう意見の数を増やしたいと思いました。軽い気持ちで「韓国は馬鹿だ」とか「韓国政府も子どもっぽい」とか言ってしまう前に、どうか日本がどのような加害をしてきたかを調べて理解してください。すべての議論はその土台に立ってしか始まりません。

*1:普通は使わない言葉ですが当時の文脈で